月を狩る者狩られる者
触れてしまえば求めてしまう。

触れたいのすら我慢しているのに、朔夜の方から触れられたら抑えがきかなくなりそうで怖かった。



「朔夜、ダメ!」

私の静止の言葉を無視してキスしようとする朔夜に、私はもう一度言った。

すると、まさしく寸前と言うところで朔夜が止まる。


「?」

どうしたのかと不思議に思っていると、朔夜はスッと離れた。


そして私を覗き込んだ状態で目を細めニヤリと笑う。



「ダメ……ね。嫌ではないんだな」


「っ!?」


顔がカッと赤くなる。

見透かされた。
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