月を狩る者狩られる者
《番外編》~月を拾う者~
本日、外はあいにくの雨。
ベッドルームの窓から見える空は薄暗く、濁っている。
でも、だからといって何かが変わるわけでもない。
だって、私はベッドの上から動けない状態なんだから……。
昨日私は、十六夜との決着がついて朔夜に殺されるはずだった。
でも、朔夜は私を殺さず吸血鬼にした。
共に生きようと言われて……。
愛していると言われて……。
凄く、凄く嬉しかった。
私の意志も確認せず吸血鬼にしたことはちょっと腹が立ったけど、それすらもどうだっていいと思えるくらい嬉しかった。
でも……。