月を狩る者狩られる者
 


しばらくして、朔夜が帰ってきた。


ただ、その肩には見慣れない、しかもかなり予想外のモノが乗っていた。


「どうしたの、それ?」

私の質問に、朔夜はそれをベッドの上に置き答えた。


「拾った。……暇つぶしにはなるだろう」

朔夜がそう言うと、それは私の顔の近くに来て「ニャア」と鳴く。


それは、黒い毛並みでアイスブルーの瞳を持った猫だった。


「なんだか朔夜に似てるね」

毛の色と瞳の色を見てそう言う。


「そうか?」

朔夜が聞き返すと、また猫が動く。

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