月を狩る者狩られる者
に、肉球パンチ……?
朔夜は私から離れて、猫の首根っこを掴み上げる。
「……拾ってこなければ良かったな」
「ナァ~」
「っぷ、フフ……」
私は思わず笑い出した。
朔夜と猫がちゃんと会話しているように見えたから、何だかおかしくて。
「何で笑う?」
ちょっとムッとする朔夜。
「ナァォン?」
同じく機嫌の悪そうな声で鳴く猫。
やっぱり似てる。
「ははっ……ご、ごめん。……そうだ、名前決めないとね。その子の」
また笑ってしまいそうなのを必死で堪えて話題を変えた。