月を狩る者狩られる者
そう思ったけど、朔夜のことばかり考えていたから見逃していたのかもしれない。

と、このときはあまり気にしなかった。


「大事な人がいなくなってね。その手がかりになる人を探しているの」

そう続けて、もしかしてこの子が繋ぎ役なんじゃないかとふと思った。


でもすぐにまさかと打ち消す。

いくらなんでもこんな子供が繋ぎ役なんて。


確かに朔夜は顔は分からないって言ってたし、可能性はないとは言い切れないけど……。


そうやってちょっと考え込んでいる私に、少年はさらに質問してきた。

私はその次の質問に瞠目(どうもく)する。


「お姉さん、吸血鬼だよね?」

「っ!? どうして……君も、吸血鬼……?」

まさかと思い沈めた疑惑がまた頭をもたげた。
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