月を狩る者狩られる者
とはいえ、それは戦闘と呼べるほどのものではなくあっさりと決着がつく。
血も飲めずに弱っている私。
吸血鬼四人相手に、敵うわけが無かった。
羽交い絞めにされた私は、口と鼻を布で塞がれる。
吸い込まない様にとは思ったけれど、思い切り吸い込んでしまい意識が遠のいた。
遠のく意識の中で、クレハの声が暗示のように響く。
「安心して、殺しはしないよ……」
その言葉が終わると同時に、私の意識は闇に落ちていった。