【完】あたしが君を守るから
♛腰パンは...却下
秋になりたての風が、頬をくすぐる。
金木犀の香りがすると、秋だなって感じがする。
結構、この香りも好きだし♪
......。
隣で陽気に鼻歌を歌う彼。
「椎。制服はきちんと着ることが大事なんだよ?」
ネクタイもせずに、ボタンも閉めないで...。
いつものことだから、もう慣れてるけど。
こんなこともあろうかと、鞄からネクタイを取り出す。
「女子は自由だけど、男子は制服が決まってるんだから」
頬を膨らましている椎をよそに、キツくない程度でネクタイを締める。
あ。すぐに緩めたな。
「シャツもきちんと入れて? 基本よ。基本」