【完】あたしが君を守るから
「桐も椿も、歩をイジめんな」
呆れたような、でも、あたしは好きな声。
だって、桐なんかまたビビってるよ。
「ふふっ。3人とも、仲がいいのね」
椎を見ようとしたのに、振り向けなかった。
ふふっ、なんて上品な笑い方。
あたしには到底似合わない。
会話が途切れたのをチャンスに、覚悟を決めて顔を上げる。
雪のように真っ白な肌。
大きな二重の瞳。
長いまつげの下から、黒眼がはっきり解るほどのブラウンの瞳。
ぷっくりしたさくらんぼ色の唇。
今までたくさんの美女を見てきたけど、この子が1番かも...。