【完】あたしが君を守るから
――――ギュッ...
思い出そうとしていると、スカート部分を誰かが握った。
視線を落とすと、そこには小さい手を強く握りしめている姿が。
小さな手を優しく掴み、スカートから離す。
素直に離してくれて、目線の高さを合わせる。
「―――どうしたの? 椿くん」
いつものまん丸おめめが、不安な色を帯びている。
「僕、あの人苦手...」
視線の先には、美咲さん。
「どうして? 何かされた?」
しつこい口調にならないように、優しく問う。