【完】あたしが君を守るから
「誰、探してんの?」
廊下のくぼみの部分、つまりあたしから死角にいた彼。
意地悪な視線が向いている。
「な、つめ...」
驚きのあまり、顔が引きつった。
壁に寄りかかっていた体を起こし、あたしに近づいた。
「なに、俺に惚れたから追いかけて来た訳?」
口角をあげて、面白がっている。
夏目が近いから、あたしも後ろにさがっていく。
「違うから。夏目が不審な行動しないようにって...」
引きつったまま、精一杯伝える。