【完】あたしが君を守るから
すると、手首を掴まれ強制的に立たされた。
「歩っ! 今まで、要人から離れてどこにいた?!」
眉を寄せ、大きな声であたしを怒鳴る。
恐くて、恐くて頭が真っ白になった。
こんな理玖、見たことなくて...。
「え...、あ...」
何か言わなきゃ、何か、何か...。
いくら言葉を探しても、見つからない。
「俺を見ろ!! 何をしていた?!」
顎に手を当てられ、視線を理玖に向ける。
恐くて、目頭が熱くなった。