【完】あたしが君を守るから






椎の怒った顔が可笑しくて、笑ってしまう。





――――グイッ




後ろの襟を掴まれて引っ張られる。




バランスを崩してしまうけど、倒れなかった。





硬い何かが、あたしを支えているから。





「あ。夏目」




顔をあげると、ふてくされている彼がいた。





「『あ。』じゃねぇよ。今日は俺が、歩の相手なのに」




パシッと軽くデコピンされた。




「いたっ...」




若干ヒリヒリした。





< 240 / 512 >

この作品をシェア

pagetop