【完】あたしが君を守るから
「あれーっ?? そのネックレスって、もしかして観覧車の??」
話に入れなかった美咲さんは、ここぞとばかりに大きな声を出した。
あたしには到底、マネできそうにない可愛らしー声で。
「観覧車?」
椎が眉間に薄い皺を寄せながら、首を傾げた。
どう、しよう...。
椎の視線に、上手く言葉が出てこない。
「そうそう。ピンクの観覧車に乗ったんだ」
戸惑って口ごもるあたしの代わりに、夏目が笑顔で言った。
一見、爽やか。
でも、違う意味がこもっているはず...。