【完】あたしが君を守るから
なになに...。
【補習】?
少し太めの字で書かれた文字。
そして、そのまま目を動かして読む。
「...え...姫くんの名前がある...」
1人の女生徒が驚いた口調で静かに呟いた。
その声で、教室中の視線が一気にホワイトボードへと移る。
確かに【姫宮椎】と書かれた名前。
「...どうして、名前があんのよ...」
今すぐにでも怒鳴りたいけど、グッと押さえる。
「え? だって、数学とか意味分かんないし」
ケロッと、しかも逆に不思議がられた。
ハァと重い溜息が零れた。