【完】あたしが君を守るから




そんなバカ過ぎる2人を後ろから見ていると、あっという間に放課後になった。




補習は放課後にあるみたいで、補習を受ける人たちは教室に残る。



ガタッと音をたてて、イスから立ち上がり鞄を手に取る。




「えっ、歩帰んの?!」



椎が口を開けたまま、こっちを見た。



「うん。だって、あたしは呼ばれてないもん」



当たり前の答えをサラッと述べる。



「えー。歩がいないと絶対に補習終わらないって」



うだうだとあたしを引き留める。



「どうせあたしに答えを聞くつもりでしょ?」



ギクッと肩を震わせた椎。



そのくらいお見通しなんだから。



「それは自分でやるべきよ」



それだけ言って、教室から出た。



たぶん後ろには司がいるはず。




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