【完】あたしが君を守るから







――――グイッ






掴まれた手首を引かれて、椎の元に引き寄せられる。




ふわっと漂う、バニラの香り。





「いつまで、付ける気?」




大好きな、囁くような声が降ってくる。




くらっと目眩が起こる。




「それって...ネックレス...?」




リボンのネックレスへと視線を落とす。




盗聴器のことばかりに気を取られていて、すっかり忘れていた。






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