【完】あたしが君を守るから





すると、椎の体温が離れた。




ほっとしたような、寂しいような複雑な気持ち。





視線を落としたままいると、軽く肩を押された。




「わ...あっ...」




バランスを失ったあたしは、後ろへと倒れた。




ベッドがクッションとなり、痛みは感じない。





「なにす――――」




反射的に閉じた瞳を、開いて文句を言おうとした。





でも、言えなかった。





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