【完】あたしが君を守るから





木のドアを引くと、落ち着いた優しい香りが漂った。



久し振りかも。図書室に来たの。



何人借りたのか解らないほど、くたびれた背表紙。



そっと優しく撫でる。



すると、目に入ったのは奥の空間。



机の脚が見える。



日当たりもいいし、寝ると気持ちいいかも。



想像したら笑みがこぼれそうだった。



誰もいないけど、1人で笑ってるのは変だよね。



本棚を通り過ぎ、空間へと足を進める。





しかし思わず息を止めてしまった。








だって人がいたんだもの。





< 29 / 512 >

この作品をシェア

pagetop