【完】あたしが君を守るから
「ほら、無理矢理キスした...」
俺に言わせんな、って感じの態度で苛々している。
「あー。あれ」
左手の平に、右手で拳をポンッと当てて納得した様子を見せる。
引いたような視線を向ける椎。
「まさか、忘れてたの?」
「いやいやいや。そんなわけないじゃんっ」
慌てて否定する。
だって、あんな衝撃的なことを忘れるはずがないよ!
「だって、ファーストキスだったし?」
18にもなって、だったから照れくさくて視線を移す。
そんなあたしに、椎は呆れてるんだろうな。