【完】あたしが君を守るから
そんなあたしの反応を見て、夏目はクスッと笑った。
イスから立ち上がると、あたしの側まで来た。
手が頬へと伸びる。
...やだ。
ビクッと肩が震えたのが解った。
「...そんなにビビらなくていいって」
また...、笑われた。
でも、目線をなぜか上げることが出来ない。
「本。適当に借りていいから。使い方解るだろ?」
「カギは掛けなくていいから」と言い残して、夏目は出て行った。
やっと体の鎖が解けたみたいに、体が自由になる。
そして、まだ馴染めていないのか思考が働かなかった。