【完】あたしが君を守るから
すると、そっとあたしの首もとに椎の手が伸びる。
突然で、防げなかった。
冷たい指先が、肌に触れる。
「歩には、これ意外のものはいらないよ」
いつも付けているネックレス。
優しく椎の指先が触れる。
「焦ってたんだよ。歩が取られるんじゃないかって」
溜息をしながら、不機嫌そうに自分の髪をくしゃっと触れる。
「行かないよ。あたしは、椎のボディガードなんだから」
くるっと振り向き、椎にデコピンする。
「それを言いたいわけじゃなくて...」
不服そうに頬を膨らます椎。