【完】あたしが君を守るから
柔らかい毛先と、ひんやりとした指先の体温を感じた。
「いいよ。目開けて」
ゆっくりと目を開くと、椎は道具を片付けていた。
鏡を探して、自分を映す。
「わお...」
ほんの数分だったのに、
椎曰く、4種をMIXしたチーク。
優しい色のアイカラー。
マスカラも綺麗。
本当に5分で済ませたんだ...。
綺麗な仕上がりに、驚いちゃった。
「どうして、こんなに上手なの??!」
「桃が学生のときに、雑誌見ながらデカい独り言でやってたから」
あぁ...桃さんの影響ね...。
その光景がすぐに目に浮かんだ。