【完】あたしが君を守るから
どんなに考えても、あたしが負けたのには変わりない。
こんなのがあの人に知られたら、稽古2倍にされちゃうよ。
ベッドから起き上がり、自分の部屋から出る。
水でも飲もうとキッチンへ。
初めてここに来てから、13年間経った。
そのせいか、こんなに広い屋敷の中も迷子になることはない。
どこにどの部屋があるとか、全部頭の中に叩き込んだのでね。
シーンと、人一人いないひろーいキッチン。
お手伝いさんも、もう19時を回ってるから帰ってる。
冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを取り出す。
ゴクッと一口飲み、喉の渇きを潤す。
少しはマシになった、かも。