【完】あたしが君を守るから
ぼーっと実況を聞いていると、驚いた声に変わった。
「おぉっ。宝来美咲の登場だ」
「え?」
それを聞いた途端、視線は美咲さんを捕らえる。
美咲さんは、果敢にもギャルをかき分ける。
ギャルたちがしかめ面になっていくのが分かる。
「椎っ」
美咲さんは、椎の名前を呼び振り向かせる。
あ......。
「「キャーッ!!」」
悲鳴にも似た声が、中庭に轟く。
「おおーっ! 宝来美咲、姫宮椎にキスしたぁ!!」