【完】あたしが君を守るから
椎の瞳は見開いていて驚いている。
でも、美咲さんを突き放さない。
数秒経ち、椎が美咲さんの肩を押し、唇から離した。
椎には苛ついているような表情が、少しだけ見えた。
そのまま、どこかへ歩いて行った。
美咲さんは、嬉しそうな顔をしていた。
「悔しいけど。お似合いだもんね...」
ギャルたちの話し声が、微かに聞き取れた。
そうだよ。
美咲さんと椎は婚約者。
住む世界も違うもの。