【完】あたしが君を守るから
♛あたしの過去
-譲side-
「兄貴。俺、こいつと結婚する」
いつも暢気な弟が、またもやヘラヘラと笑いながら俺に言った。
弟・悠の隣には、恥ずかしそうに顔を赤く染めている女性がいた。
すぐに、彼女が何者か分かった。
「悠。来い」
ガシッと悠を掴んで、廊下まで連行する。
「何だよー。兄貴ー」
「お前、マジであの子と結婚する気なの?」
女性を目で示しながら、小声で聞く。
「あぁ。するよ」
けろっと笑って答える悠。