【完】あたしが君を守るから
「あちら側も何も言わないということは...言ってないんだな...」
眉を寄せて、重い溜息を吐く。
そうだよ。
みんな頭を抱えるくらい、悠はとんでもないことをしでかしてくれたんだよ!!
「紘。ここに連絡しておいてくれ。明日、午後2時にここで、と」
メモ紙にサラサラと書き、紘に渡す。
「分かりました」
会釈すると、紘は部屋から出て行った。
「悠の居場所、知ってるか?」
静かな部屋に、親父の声だけが響く。
「知らない」
「本当かぁ?」
じーっと信じていないような目で見られる。
「ま・じ・で、知らないから」
このやりとりが何回続いたと思ってんだよ...。
嘘つくの、慣れてないんだからさぁ...。