【完】あたしが君を守るから
強い力...、あたしの力じゃ振り解けない。
何とか離せないかともがく。
離しなさいよ...っ...!!
肘を鳩尾に当てようと、力を込めるが避けられる。
ついには、もう片方の腕も封じられる。
そして、彼が動いた瞬間、バニラの香りがあたしに届く。
でも、そんなことよりも離すのが先。
まだ自由な足を使って、臑[スネ]を蹴る。
「っ...」
あまりの痛さに悶える敵。
すぐに掴まれた腕を解こうとする。