【完】あたしが君を守るから
椎も、突然のことに驚いたみたい。
でも、すぐに穏やかな表情に戻った。
――――ポンポン
大きな手のひらが、あたしの頭に優しく降ってきた。
「いつから歩は、こんなに心配性になったんだよ」
子供扱いする口調だけど、優しくてあったかい。
「違うもん。椎が危ないことばかりするからぁ...」
椎の胸に顔を埋める、いつものいじっぱりなあたし。
「分かったから......泣くなよ」
ほんの少し顔をあげたあたしの瞳に、涙がうっすらと浮かんでいたのを見られた。
「泣かないわよっ!」
「どーだか」
椎にバカにされるが、悔しい。