【完】あたしが君を守るから
紙が1枚くらい入ってる薄さ。
耳元で、軽く振る。
カチッとかスイッチの音はしない。
そっと封を切る。
「っ...」
手紙の内容を見た一瞬、眉を寄せる。
「歩さん?」
家政婦さんは、あたしの反応に気付いて手紙の内容を見ようとする。
すぐに手紙を2つに折る。
「これ。私にだったみたいです。大事な彼からの...」
「ナイショですよ」と唇に人差し指を付ける。
若干、頬を染めて。
「あら...。まぁ...」
クスクスと可愛らしい笑みを浮かべる、50代の家政婦さん。
おばちゃんは、こういう話大好きだからね。