【完】あたしが君を守るから
「椎が16歳の頃から、こんな手紙は来ていたんだよ」
渋い顔で溜息をつく。
「門の付近にある監視カメラにも、怪しい人影はあったものの...。顔までは解らなかったわ」
目線を落として、不機嫌さを露わにしている紀子さん。
どうしていいのか分からない。
ただ苛つくのは、椎を狙っている誰かがいるってこと...。
「3日後には、椎の許嫁に逢わせるパーティがあるのに...」
「ちょっと、あなた!」
何気なく呟いた譲さんに、あたしのことを気にして紀子さんが遮った。
あー...。
「大丈夫です。気にしないでください」
ニコッと普通通りに笑ってみせた。