【完】あたしが君を守るから
「そう...?」
眉を下げて、心配そうに見つめる。
こんな表情をさせちゃダメ。
「パーティは予定通りに行ってください。椎は...、必ずあたしが守ります」
これ以上、紀子さんに気を遣わせてはダメだと思ったから、遮るように強く二人に言う。
あたしの決心した強い目に、2人は何も言わずに頷いた。
「解りました。椎は、歩、君に任せます」
いつのなく、真剣な椎の父親の顔をしている譲さん。
少しだけ、プレッシャーを感じたのが解った。
「日本支部にも言っておきますので」
丁寧に会釈をして、書斎から出る。