【完】あたしが君を守るから
♛繋がれた手
「すみませんっ、どいてください!」
すごいスピードでワゴンを押している若い家政婦さん。
「うわっ」
ギリギリのところで体を反らす。
あたしの方へ頭だけ軽く下げて、また忙しそうに走り出した。
なんとも危なっかしい人...。
いつもなら廊下を走ることは厳禁。
でも、今日は違う。
「ちょっとっ?! テーブルクロスが足りないわ!」
「出入り口を誰か掃いたか?!」
慌ただしく動き回る人々。
そう。今日は姫宮家主催のパーティの日です。
前日に結構準備したんだけど、間に合わなくてねー...。