トマトときゅうり
本日は忘年会。
夜までは通常業務とはいえ、皆どこか浮き立って見えた。
18時、事務所内で、忘年会の担当さんが、店に移動してくださーい、と叫びはじめ、皆コートを着てぞろぞろと移動する。今日ばかりは残業禁止と事務所にも鍵がかけられた。
霧島部長がまず挨拶し、各営業チームのリーダーが今年一年のチームの成績結果報告を発表する。皆、どうでもよさそうな態度が見え見えで、独身グループは自分の前に並べられた料理やビールばかりを凝視していた。
霧島部長の演説は長い。半分くらいから私もほとんど聞いてなかった。
拍手、そして乾杯。
男性が圧倒的に多くて、何しか声がでかい。雄たけびのような乾杯に、ビックリしてコップを落としそうになってしまった。・・・何、これ。動物園か何か?
私はお酒もそれなりに好きなので(一人の時でも疲れていたり、嬉しいことがあれば飲むくらいには、好き)、嬉しくビールを飲む。
両隣に事務社員の美しい仲間さんと小動物的に可愛い杉並さんに囲まれて、楽しくお喋りしていた。
宴会場ではなく居酒屋の貸切なので、料理もあったかくて美味しい。珍しく赤面症からではなくてほろ酔いでほっぺを赤くして、笑ったり食べたりして、幸せな時間を過ごした。
仲間さんの恋愛体験記を根掘り葉掘り聞いていたら、部長がビールのコップをもってふらりとやってきたので、仲間さんがさっと酌をすすめる。
「お、悪いね、ありがとう。いやあ、ここは綺麗どころだなあ!目の保養になるね」