トマトときゅうり
そっかあ、明日はクリスマスかあ・・。と壁のカレンダーを見る。
ボーっとしてたのは、クリスマスのことを考えたくなかったからかも。長谷寺様のお嬢さんが、きゅうりにどう接近するのかが本当は気になって仕方ないけど、会社で話をする暇はなかったし(魂の抜けてた私以外は忙しいので)、やたらと目が合う青山さんから逃げてるのもあって、営業部から遠ざかってたから、きゅうりの姿もそんなに見てない。
・・・どうするんだろ。
部屋の真ん中でクッションを抱えて考え込む。
行かないつもりったって、相手を寒い中外で待たせっぱなしにするような性格では、ないよね、きゅうりは。
ううーん。
でもそこは是非とも行かないで欲しい~・・・・いやいやいや、そんな人の不幸を願ってはいけないわ、私ったら。
ボスボスとクッションを殴る。
考えても仕方ないと諦めて、久しぶりにテレビをつけて、見ながらご飯を食べた。
そして、最近ほったらかしにしていた自分の手入れを始める。
顔の雑草を処理し、爪を整える。好きではないからマニキュアは塗らない。ぱらぱらと出ている髪を切って揃え、がさがさの唇をパックした。
クリスマスに一人だからって、今更何ともないが(だって、一人じゃなかったことがないんだもーん)、いかにもデートの約束もありませんてな身なりと人に思われるのは、流石に嫌なお年頃ではある。
満足するまで自分の手入れをして、早めに布団に入った。