トマトときゅうり
『お風呂上りの瀬川さん、服は着たの?』
はい?思わず怪訝な表情をした。
「・・・まだですが。出た途端に着信がきたので」
仲間さんが歓声を上げた。
『うーん、素敵!なおさらいい!』
「・・・えーっと、仲間さん。さっきから、何で喜んでるんですか?お風呂に入ってたら、益々いい?とは?」
『あ、こっちの話よ、気にしないで。――――それよりも』
仲間さん、ものすっごく気になります・・・。話題の変え方、急すぎるし・・・。
わけが判らなくて私は一人首を捻る。
部屋は一日温めてるから、ジャンボバスタオルに包まってれば全然寒くはない。それでも風邪を引いて寝てたわけだから、こんな格好がいいわけは勿論ない。
携帯を肩で抑えながら、下着をつけた。髪を片手でタオルでこする。
『それよりも、瀬川さんに渡したいものがあるのよ。すぐいけるんだけど、ちょっとお邪魔していいかしら?』
「はい?何ですか、それ」
『プレゼントよ、クリスマスの』
仲間さんの艶やかな声が弾んでいる。確かに、今日はクリスマスだけど・・・。何で?
『瀬川さんお休みで渡せなかったから。いいかしら?玄関先で、ちょっとだけ』