トマトときゅうり
アイスクリームと唇。
1階についてエレベーターから出たところで強烈なショックがあった。
「うわあ!」
「きゃあ!」
結構な反動で私は後ろに吹っ飛び、床に尻餅をついてしまう。
ぶつかられたんだあ~。あーん、お尻痛い・・・。
「ごめんね瀬川さん!!大丈夫?!」
尻餅をついた私に手を差し伸べてくれてるのは、青山さんだった。
「青山さん!」
びっくりしたけど、つい、誘われるように手を伸ばす。
と、怒鳴り声がエレベーターホールに響いた。
「青山!ほっとけ、早く行け!!!」
きゅうりが鞄を手にビルに飛び込んでくる。
「は、はい!ごめんね瀬川さん!」
呆然としている間に青山さんは立ち上がり、エレベーターに乗っていってしまった。
あ、そうか・・・締め切りまで・・あと8分・・・。今からで入力間に合うかな・・・。
そこまで思考が追いついた時、宙ぶらりんだった私の手が掴まれて、身体が引っ張り上げられた。
「・・・え?」
「悪い。時間がなかったからな」