トマトときゅうり
「いや、だから、味見だって」
「すすすすすスプーンを使ってください、スプーンを!」
「何でだよ、いいじゃねーか指の1本や2本。減るもんじゃねーし」
ニヤニヤしながら反論してくる。
からかわれてる!!今日はいい人だって思ってたのに!それなのに!!さっきまでの紳士は一体どこに消えたのよおおお~っ!!!
私は全身をあっちっちにして叫んだ。
「減ります!もう、セクハラですよ!!!」
「セクハラ?これが?・・・・お前、嫌だったか?」
パッと表情がかわって、心配そうな顔になったからこちらの勢いも冷めていった。
ゆっくりと瞬きを繰り返す。目の前には目を細めるきゅうり。
・・・・嫌?
ビックリしたけど・・・・別に、嫌ではなかった・・・。
舐められてるのに、気持ち悪くもなかった・・・。
いや、なんかでは・・・・。
あらら・・・私ったら――――――――
口元を手で押さえた。