トマトときゅうり
先週の締め切りの一件で、私と青山さんは仲良くなった。
あの締め切りの日、きゅうりと公園から戻ると青山さんが待っていて、長谷寺さんを思い出してくれたのは瀬川さんだと聞いたと御礼を言ってきたのだ。
半年前の俺の言葉なんてよく覚えてたねー、と感心されて、その当時の話で盛り上がったりしていた。
気がついたらきゅうりは消えていて、青山さんも残りの仕事を片付けると戻っていったので、私は退社したのだけど・・・。
部長には正直に瀬川さんにアイデアを貰ったと言ったけど、他の営業にはうるさいから黙っている、成果発表の時に瀬川さんの名前を出せないからって、翌日青山さんがランチへ誘ってくれたのだ。
営業部で一番年の近い人でもあったので、青山さんとは一番よくしゃべっていたし、気軽に受けて、ランチを食べに行った。
と言ってもこじゃれたカフェなんかではなくて、豪快に焼肉ランチにいったのだけれど。
そこを、他の事務員組に見られていたのだ。
「本当にビックリしたけど、まあ、瀬川さんと年齢も近いしね、青山君は」
楽しそうに話す事務仲間の大井さんの口にストップはかけられず・・・。
なぜか、付き合ってるまではいかないまでも、仲良しだと認定されてしまったのだ。
つまり、付き合うのは秒読みだわね、程度の。
そんなわけで、青山さんが何かするたびに、私もコミコミでからかわれるハメになっている。
「・・・・いや、青山さんにも迷惑ですし・・・ってか、ほんとそんなんでは・・・」
色々言ってみるけど誰にも聞いてもらえず。