トマトときゅうり


「・・・どうしました?体調悪いんですか?」

「・・・いや。なんでもない。どうしたんだ、そのケーキ?」

 マグカップを人数分用意する。ジムのメンバー5人と・・・部長と・・。

「青山さんが下さったんです。お土産ですって」

「ふーん・・」

 ちらりときゅうりを見たけど、頭を天井のほうへむけて目を閉じていた。

「知ってます?有名なんですよ、天使のロールケーキって言って・・・」

「知らね」

 言葉途中で遮られてムッとしたけど、機嫌がよくなさそうなので文句は喉の奥で引っ込めた。

 疲れてんのかな・・・遮るくらいなら最初から質問なんてしないでよ、もう・・・。

 こんな狭い部屋で近くにいると威圧感を覚える。何か、視線も。怖くて目が上げられない。

 気付かないふりで黙々とお茶の準備をしていたら、唐突に声が降ってきた。


「・・・お前、青山が好きなのか?」

 
 がちゃん、と音を立ててカップがシンクにぶつかった。

「きゃあ!」

「おい!大丈夫か?」

 びびび・・・・ビックリしたああああああ~!!!

 あまりに唐突すぎて、脳みそが反応しなかった!

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