トマトときゅうり
託された指令。
今日は、保険会社の大会の日。
といっても、11月も下旬に入ったこの時期にするのは、忘年会みたいなもの。
ホテルのパーティールームや会議室を借り切って、支社ごとに集まりあうのだ。
滅多に会わない支社長も来たりする、優積者には表彰もあるイベントである。
営業は全員すべからく集められるが、事務は対象外。
でも今日は人手が足りないとかで、アルバイトの事務員も借り出されて会場のセッティングややってくる営業さんの整理なんかをした。
なので、私が「大会」に呼ばれるのは初めて。
うちの事務所は男性営業ばかりの幹部候補生を育てる事務所のため、歴代、この11月の大会には表彰者として名前を連ねている。
普段色々苦労して契約をとり、その事務をしている私も同じ事務所の職員が表彰されたらそれは嬉しい。
だから、今日は、手伝いながらもずっとわくわくしていた。
大会が始まって、粛々とプログラムが進んでいく。
表彰される営業職員の胸に花をつける役として、他のアルバイトさんたちと業務をこなしていた。
自分の事務所名が呼ばれてはっとする。
今日は、うちの事務所から10名が壇上に上がるはず。
その中には、きゅうりもいた。
支社の最優積賞として壇上に上がると聞いてビックリ。
先日青山さんが言っていた、女性客からは契約を取らない、というポリシーが本当だとしたら、支社の最優積賞を取れるってのは、本当に凄いと思う。全て男性の契約者で、うちの支社で一番契約数を獲得したってことなのだから。
この一年間の、きゅうりの頑張りが認められたのだ。