僕らの終わり
僕と君ら
さよならを告げる他人の声やチャイムなどは塵にも気にせず、コツコツと暗い廊下を進む。
迷路のよう、と言われたこの廊下は"僕ら"専用で、"僕ら"だけがこの暗い廊下の先―生徒会室に行ける。
「失礼する。遅れたかな?」
ノックと同時に勢い良くドアを開けると、子供…基、甘等先輩がクッキーを美味しそうに食べている。
「平気だよ〜☆まだ僕とゆうくんしか来てないはら…モグモグ」
…彼は甘等 光国(カンラ ミツクニ)先輩で、これでも高校三年生。
僕より二つも上だが…どう見ても僕より年下にしか見えない身長。
「ゆうくん?…と言うと、夕里か」
「当たりー。ここだよ」
甘等先輩曰くゆうくんの本名は知田 夕里(トモダ ユウリ)。
僕と同級生で高校一年生、そして家が近い。
「夕里が早いと雨が降りそうだが…それより他の人が遅いのは不思議だな」
「なんか酷いことサラッと言われたけど?まあいいや、双子は後ろにいるじゃん」
「…後ろ?」
夕里の言葉で自分の後ろを確認しようと振り向き、
「……。こんにちわ、琴沢先輩方」
そう言って三歩後ずさる。
『こんにちわ〜?遅かった?』
「い、イエ…全然」
この双子は琴沢 黒・白(コトザワ コク・ハク)先輩。兄弟揃って何か怖い雰囲気を纏い、僕は少し苦手だ。
『信人君はもうすぐくると思うよー。確率は100%』
二人がまたもやハモりながらそう言うと、扉が静かに開き
「…すまん、遅れた」
白崎 信人(シラサキ マコト)先輩がCoolに冷たくそう言って入ってくる。
彼こそ甘等先輩と反対の方が良いんじゃないか?と思うが、白崎先輩は二年生。
「甘等先輩ー、來瑠木先輩はどうしたんですか?」
後残るは來瑠木 理和(クルルギ リオ)先輩。1番時間にルーズな先輩だが
「それがね〜?外国から帰ってくる日を間違えてしまったみたい」
たまーにこういう良くあるドジをする。
「まあ良い。まず最初に近況報告と分かった事などを包み隠さず話して貰おうか」
.