あやまち
あたしはずっと、渉がいろんな女の子と遊びまくっていたと思っていた。


でも、そんなことは一切なくて……



『俺は、出会ったときから悠亜一筋なんだけど。他の子を代わりにしようなんて思ったこともねーし、遊んだ覚えもない』



麻希と付き合ったことに対しても……



『それは……悠亜が、妬いてくれるかなと、思って』



頬を赤く染めて、照れながらそう言う渉に、無理矢理抱かれてから固まってしまった心が、少しほぐれた気がした。


そんなときに、大きな手に頬を包まれたからか、それを拒むという選択はあたしの中には存在しなくて……



『俺はずっと、悠亜のことだけが好きだった。今もそれは変わらねぇ』



と、熱い瞳で、真っ直ぐにそう訴えてくる渉に、不覚にもどきっとした。

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