あやまち
翔太と別れてから、正直こんな風に楽しく過ごせる日がやって来るなんて思いもしなかった。


あれから同じ場所に住んでいるとはいえ、必要以上のことは話さなかったし、お互いに干渉し合わなかったから、その関係は友達以下だったように思う。


まあでも、別れてしまった男女が友達に戻ることは、なかなか難しいんだろうけど。


そうは思いながらも、翔太への想い、翔太との関係がはっきりしなくて、あたしもいつまでもこの場所から動けない。


こんなのいけないってわかっているのに。


あたしの中にある想いが誰にあろうとも、翔太と別れた時点で、ほんとはあのアパートを出なきゃならなかったのかもしれない。


そうしなかったせいで、あたしの気持ちもはっきりしなくて、前へ進めない。


すべて、曖昧なままなんだ。
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