あやまち
あのときは翔太への想いの方が強かったから、そんな風には感じられなかったけど、今考えればあれは物凄く愛のこもった行為だった。


無理矢理抱かれたのに、そんな風に思うのは可笑しなことだけれど、今こうやって想いが通じあったからこそわかることなんだ。


だから今、あの愛をまた感じたいと思った。


渉に抱かれたい――…って思った。





唇に落としていたキスが、首筋、鎖骨、胸へと降りていく度に、あたしの中のドキドキが加速する。


渉の愛撫を受ける度に、あたしの身体は芯からジンジンと疼いて熱くなる。


身体全体で渉を感じて、幸せな気持ちで一杯になった。





物凄く遠回りしたけれど、今こうやって想いが通じて、こうやって触れ合える。


ただそれだけで、幸せを感じられるんだ。

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