あやまち
そのまま立ち上がって、顔を洗いに行った大きな背中を見ながら、
「あり得ない」
そう呟いた。
なのに……
すぐに顔を洗い終え戻ってきたと思ったら、口角を上げながらそれを突っ込んでくる。
「間接キスくらいで動揺してんなよ?」
「してないもん!」
頬を膨らませながら、否定していたら……
からかいながら細めていた瞳が、鋭いものに変わる。
真っ直ぐ射抜くように見つめてくる瞳から、視線をそらせない。
「間接じゃなくて……、本物のキス、してみる?」
トクンッ――
あり得ないはずの言葉に、あり得ない反応を見せるあたしの、心臓。
「俺とも、酔った勢いで、ヤろうぜ」
「……!」
“俺とも”……
「ヤ、ヤらないっ!」
そう声を張り上げたら、一気に意識が遠退いていった――…
「あり得ない」
そう呟いた。
なのに……
すぐに顔を洗い終え戻ってきたと思ったら、口角を上げながらそれを突っ込んでくる。
「間接キスくらいで動揺してんなよ?」
「してないもん!」
頬を膨らませながら、否定していたら……
からかいながら細めていた瞳が、鋭いものに変わる。
真っ直ぐ射抜くように見つめてくる瞳から、視線をそらせない。
「間接じゃなくて……、本物のキス、してみる?」
トクンッ――
あり得ないはずの言葉に、あり得ない反応を見せるあたしの、心臓。
「俺とも、酔った勢いで、ヤろうぜ」
「……!」
“俺とも”……
「ヤ、ヤらないっ!」
そう声を張り上げたら、一気に意識が遠退いていった――…