あやまち
「麻希……、あたし、泊まりは行けない」


「何で?渉とのことを話したら行ってくれるって言ったじゃん!」




『ちゃんと話してくれなきゃ、泊まりは行かないからねっ』




確かに……、これは言葉を返せば、話してくれれば行くという意味だ。



でも……



あの時とは、状況が違うんだもん。




「おねが、い……悠亜。四人で……って言えば、渉もきっと来てくれる」




二人だったら行ってくれないんだもん……と付け加えると、泣きそうな表情になる、麻希。



協力はしてあげたいと、思う。



でも、渉の顔は……二度と見たくない。



どうすれば……






でも結局――、渉もOKし、四人で泊まりに行くことになってしまった。

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