あやまち
「言葉通りだけど」




言葉通り……


それって……




「翔太は、あたしのことを信じてないの?」




そうは思いたくないけれど、翔太の口から出た言葉が




『あたしは翔太じゃなくて渉のことが好き』




と言っているようで、凄く胸が痛くなった。




「信じ、たい」




“信じてる”じゃなくて……


“信じたい”?




「あたしはっ、翔太のことが好きなんだよ?なんで……っ」




自信持って、信じてるって言ってくれないの?



胸にズキンと痛みが走って……



涙が、こぼれた。



一度、栓が開いてしまったら、もう止めることができなくて……



次から次へと溢れ出る涙は、膝の上にポタリポタリと落ちて……



そのままふくらはぎを伝って、床に水溜まりを作っていった。
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