《短編》空を泳ぐ魚
「…アンタ、やりにくくて疲れる。」


「…疲れるほどヤってねぇだろ。」


「アンタ、やっぱ変態だね。」



ストレートに言ってくれるじゃん。


出来れば、もぉちょっとオブラートに包んで言ってほしいんだけど。



「…でも、今度もし一緒に魚見れたら、考えてあげても良いよ。」



魚を、見る?



「海かどっか、ってこと?」


「…何でよ。
ピクニックに決まってんじゃん。」



決まってないし、原っぱとかに魚居ないし。



「…あたしね。
魚発見したら、その日一日良いことがある気がしてるの。」


「…どっかで発見することある?」


「ないの?」


「ないよ。」


また始まった魚絡みのよくわからない話になり、

体を起こして、寝転がる清水の上に乗った。


てゆーか、無防備すぎて襲いたくなってしまう悲しい男の性。



「…何やってんの?」


「エッチ?」


「…その顔、可愛くないから。」


会話を中断されて怒ったのか清水は、一応可愛く言ってみた俺を白い目で見つめ、

折角寝転がっていた体を起こして煙草を咥えてしまう。


放置な俺は、ひとり不貞腐れて。



「…で?
ピクニックで魚発見ツアーだろ?」


「嫌なら良いよ。」


どうも俺の言い方が気に入らなかったのか清水は、冷たく言葉を投げ返した。


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