《短編》空を泳ぐ魚
「…ごめん、嘘だ。」
「嘘かよ!」
あぁもぉ、俺、泣いちゃいそう。
でもまぁ、名前呼んだあたり、ちょっとは進歩したんだろうなぁ。
「…何やってんの?」
無意識のうちに清水を背中から抱きしめるのは、もぉ癖なのかもしれない。
そんな俺に、相変わらずの怪訝な顔で冷たい言葉が投げられる。
「据え膳食おうとしてんだけど。」
笑顔で言う俺に、清水は最高記録なのかと思うほどの、長いため息を吐き出した。
「…やっぱアンタ、嫌いだわ。」
「えぇ?!セナ!」
「馴れ馴れしいって。」
瞬間、清水が引っ張るのは、俺の耳で。
人間、耳は鍛えられないって知っててやってるんだろうか?
俺が清水と付き合うのも、その不思議な脳みその中を理解するのも。
まだまだ先なんだろうな、と。
涙目になりながら、悲しくなってしまった。
「…こんなに好きなのに…」
「てかあたし、今日ニモ観ようと思ってたんだ!」
思い出したように清水は、すっかり元気になって帰り支度。
未だに魚より下とか、どーなんだろう、俺。
今日は復讐のために、オール魚料理にしてやろうと決意。
養殖なら文句も言えまい。
颯爽とスキップを混じらせながら俺の部屋を出ていく清水の後姿。
まぁ、その顔が嬉しそうだから、結局許しちゃうんだけどね、俺。
「嘘かよ!」
あぁもぉ、俺、泣いちゃいそう。
でもまぁ、名前呼んだあたり、ちょっとは進歩したんだろうなぁ。
「…何やってんの?」
無意識のうちに清水を背中から抱きしめるのは、もぉ癖なのかもしれない。
そんな俺に、相変わらずの怪訝な顔で冷たい言葉が投げられる。
「据え膳食おうとしてんだけど。」
笑顔で言う俺に、清水は最高記録なのかと思うほどの、長いため息を吐き出した。
「…やっぱアンタ、嫌いだわ。」
「えぇ?!セナ!」
「馴れ馴れしいって。」
瞬間、清水が引っ張るのは、俺の耳で。
人間、耳は鍛えられないって知っててやってるんだろうか?
俺が清水と付き合うのも、その不思議な脳みその中を理解するのも。
まだまだ先なんだろうな、と。
涙目になりながら、悲しくなってしまった。
「…こんなに好きなのに…」
「てかあたし、今日ニモ観ようと思ってたんだ!」
思い出したように清水は、すっかり元気になって帰り支度。
未だに魚より下とか、どーなんだろう、俺。
今日は復讐のために、オール魚料理にしてやろうと決意。
養殖なら文句も言えまい。
颯爽とスキップを混じらせながら俺の部屋を出ていく清水の後姿。
まぁ、その顔が嬉しそうだから、結局許しちゃうんだけどね、俺。